[ふ] プラグ苗 ぷらぐなえ［野菜］

プラグ苗

　セル苗とも言う。プラスッチクの升目状の皿（セルトレイ）で苗を作る方法。園芸店などで売られるている苗は、黒ビニル小鉢のポット苗が主流だが、セルトレイはポットに比べて、床土が少なくてよい、場所をとらない、育苗期間が短い、機械化できるなどの利点があり、急速に普及してきた。
　なにしろ、床土の量がポット苗の２割ぐらい、定植する時には、ほとんど床土は見えず、全部根っこになっている。プラグのようにスポっと抜けて、畑にスポっと挿せるので、プラグ苗という。キャベツやブロッコリーなどでは、このプラグ苗を全自動野菜移植機にセットして機械で植えることができる。
　もともと、苗の根っこが鉢の中で詰まってぐちゃぐちゃになっている状態を「根鉢」といって、一昔前は、これは悪いものとされ、わざわざ切ったりほぐしたりしろとも言われていた。プラグ苗は、どちらかというと根鉢でいっぱいにしてしまう、逆転の発想で開発されたのだ。
　この、プラグ苗を作るのは、実は大変難しい。何しろ、床土の量が少ないから、それだけ環境変化に敏感なのだ。セルの升が小さければ小さいほど難しい。実際セル苗は、農家が自分で作るのではなく、専門の苗屋や種苗センターで作られることが多い。
　プラグ苗の普及で、若苗を植えることが増えてきた。一昔前は本葉４〜５枚だったのが、本葉2.5枚で定植しちゃったりする。トマトのプラグ苗ダイレクト定植なんて新技術もある。若苗は活着はいいし、結局その後もスムーズに行く。若苗定植はよくない、という一昔前の常識が、気がつくと、くつがえされている。常識ってホントあてにならいね。