|農業|田舎|事典[ね] ねずみ [全般]

『田舎のねずみと町のねずみ』って子供向けのお話があるよね。
　田舎ネズミが町ネズミの話しを聞いて、町に憧れて行ってみた。そしたら、町はモノは豊富だけど、人間に隠れてコソコソ暮してる。しまいには、田舎ネズミは人間に追いかけられて命からがら田舎に逃げ帰る。やっぱり田舎はいいよねぇ・・・・

©2004-2007 katu

　という話しだが、現実には、田舎でこそ、ネズミは人間に追いかけられる日常なのだ。毒餌を食べさせられるか、罠に捕まるかして、田舎ネズミはどんどんやっつけられている。それでも減るってことはないけどね。
　田舎暮らしをはじめると、ネズミ君たちとの距離は、ぐっと縮まる。家、倉庫、どこにでも出没。ネズミの糞は見てすぐわかるからね、昨夜も来ていたんだ、ネズミ君。
　農業において、ネズミは、かなりの害獣である。
　野菜は、かじられて倒される。
　果樹では、根元の樹皮をぐるりと食べられてしまう。木枯れるぜ。
　ハウス栽培などでは、マルチの下が最高の住処。なぜか灌水チューブをしょっちゅうかじる。
　ネズミが鳥インフルを鶏舎に媒介しないか？という恐れも指摘されている（あくまで仮説の域です）。

　田舎に来て「オレは人が変わったんだなぁ」と思ったのは、この愛らしい動物を、はじめてやっつけた時だった。哺乳類をやっつけたのは、生まれて初めてだった。やはり、虫や鳥とは、感じが違う。最近はだんだん慣れてきて倉庫の済みに追いつめて棒で叩くなどの技も身につけてしまったが、叩く時、目が合うので、かなり気が滅入る。ネズミの巣に赤ちゃんがいるのを発見してしまった時は、最悪だ。見逃すわけにはいかないんだ。田舎って戦場です。