[て] 天敵 てんてき [技術]

天敵　てんてき
　野菜栽培（とくに施設園芸）の現場で、いま天敵といえば、天敵農薬のこと。農薬ではなく、自然界にいる天敵の活動を利用して、野菜や果樹の病害虫を抑制する、新時代の技術。
　天敵には害虫を補食したり寄生したりする「良い虫」や、害虫にとっての疫病である「微生物」がある。そういう有効な昆虫や微生物などを、人為的に増殖し、流通にのせ、農家が好きな時に入手できるようにしたもの、それが「天敵農薬」である。
　昆虫の天敵農薬は、一見化学農薬のボトルと同じだが、フタに換気用の穴が開いてる特殊なボトルに、天敵昆虫の蛹や成虫や卵が入っている。寄生蜂の仲間や肉食性のダニなど。ハウスのなかで、天敵昆虫を放すが、天敵が、そこにいる害虫と適度なバランスを保って、定着し世代交代をはじめると、防除が成功する。害虫を１００％やっつけず、被害がない程度に人口を抑制するわけだ。微生物の天敵は、水に溶いて噴霧器で散布するようになっている。
　天敵昆虫は、農薬を使わない、または、使う農薬の種類を選ぶことによって、自然に畑に増える。そうした土着天敵の効果も高く、これらの方法を組み合わせることを、アイピーエムIPM（Integrated Pest Management）総合的病害虫管理という。


[参照]→天敵を活かすアイピーエム
[参照]→天敵農薬販売会社・天敵アニメを見てみよう
[参照]→生物農薬の農家事例
[参照]→　　天敵農薬の一部はweb通販で買えます