農地をゲットする「運」をよぶために

ここからつづき　　
　
　先にも書いたように、実際の就農地が、どのような形で出てくるかは、地域差があります。
　農地銀行がきちんと機能していて、審査で認められれば、あなたに遊休農地がすんなり貸与されることもあるでしょう。
　農業委員や農協の方の紹介で、確保できる場合もあるでしょう。
　田舎はなりゆきですから、話しが二転三転して、振り回されることもあるでしょう。
　離農農家の差し押さえ物件ならあります、ってこともあるでしょう。
　具体的に、農地が出てこなくて、焦ることもあるかもしれません。
　それでも、あなたの「営農計画が実現できる場所」ということにこだわることを忘れないでください。くれぐれも「遊休地があるから、ここにしよう！」とか「ビジネス的には多少マイナスだけど、他に土地がないから、ここにしちゃえ！」と、妥協しないでください。その時点で、なりゆき就農に転落です。

　ビジネス計画はある程度認めてもらったが、農地が出てこない。矛盾してるなぁ、さすがお役所仕事、と思いたくなります。当たり前のことですが、余所からやってきて事業をしようとするわけですから、あなたはとにかくお願いする立場です。農地が見るからに空いていようが、どう考えてもあなたのビジネスがその村にとって必用だと思えても、あなたは、そこで農業をやらせていただく立場だということを忘れてはいけません。
　といっても、あまり下手に出ても困ります。逆に農地確保に関しては、断固とした姿勢でお願いしないと、あっても無いと言われたりして、なかなか出てきません。表面的にはあの手この手で交渉をしなければなりません。でも、本音のところで常に謙虚さが必用なんだと思います。根本は、農業をやらせていただく、という謙虚な気持ち、これを心の根底にずっと置いといてください。

　ベストな条件の農地と出会えるかどうか？　最後は「運」です。運も実力のうちと言いますが、幸運を引き寄せるには、誠実さと謙虚さを忘れないことです。
　その気持ちがあれば、あなたのビジネスを実現させる舞台である，農地が、きっと見つかると思います。

　新規就農者が、成功するための唯一の切り札は
「農業をはじめる場所を選べる自由」
です。そのことを忘れずに、是非、あなたのアグリビジネスを実現させてください。

「農業法人にみるアグリビジネスの可能性」につづく